久留米かすり産地をめぐる 専門ガイド付き視察ツアー(日帰り)
福岡県南部で江戸時代から織られている「久留米絣(かすり)」は、ゆらぎのある美しいかすり模様で知られる、綿織物です。伝統的な藍染で手織りの久留米絣も残っていますし、化学染料を使ったカラフルで現代的な文様の久留米絣も生まれています。 かつては200軒以上あったといわれる織元(生産者)も、いまや20軒あまりに。少なくなったとはいえ、若手からベテランまで、多くの生産者が切磋琢磨しながら久留米絣を次世代に残すために、さまざまなチャレンジを続けている産地でもあります。 そんな久留米絣の産地を、豊富な知識を持つ専門ガイドとともに1日かけてめぐる視察ツアーです。久留米絣産地の技術の幅広さを知っていただけるよう、藍染手織りの織元、機械織り化学染料の織元をめぐるのはもちろんのこと、久留米絣の肝でありながら分業制で普段はなかなか見ることができない「くくり」の工程も見学できます。詳細な解説とともに、久留米絣の技術や奥深さを体感できる、お得なツアーです。
- ● 藍染手織りと化学染料機械織り両方の織元を訪ねる
- ● 絣をテーマにした坂田織物 cafe & shopで昼食
- ● 久留米絣広川町協同組合で貴重なくくりの工程も見学
- ● 他の織物産地の方の視察や久留米絣を活用したビジネス・お取引をご希望の方のご参加も大歓迎

- 渡邊令(ガイド)株式会社うなぎの寝床・株式会社UNAラボラトリーズ
- 1989年東京都出身で、高校はカナダ、大学はイギリスへ留学。2015年7月に株式会社うなぎの寝床に入社し、リサーチャー・通訳として活動。UNAラボラトリーズでは、トラベルコーディネーター兼編集として、地域文化の価値を考え国内外に伝える役割を担っている。小学校4年生からダジャレを作っては収集するダジャレ通。

- 池田信広(ガイド)株式会社うなぎの寝床
- 1967年福岡県生まれ。母が久留米絣の織り手だったこともあり、小学校の頃は絣と油の匂いを嗅ぎながら手伝っていた。1985年18歳で宮田織物株式会社に入社。レピア織機の限界に挑む独創的な布作りに携わる。その後、2019年に株式会社うなぎの寝床に入社し、筑後地域の染織産業に深く関わりながら、生産管理や企画等に携わっている。
日本三大絣のひとつ・久留米絣(くるめかすり)
絣(かすり)とは、織物の技法の一つ。前もって染め分けた糸を経糸(たていと)、緯糸(よこいと)、または両方に使用し、模様を表します。絣の技法はインドで発祥したと言われ、世界中に広まり、日本へは沖縄から全国へ伝わりました。久留米絣は旧久留米藩(広川・筑後・八女など)で織られる絣布で、1800年ごろ井上伝という少女が考案。現在20件弱の織元が残り、手織り藍染めの伝統的な技法から動力シャトル織機まで幅広く残っているのが特徴です。

正統派の織元・野村織物
野村織物は、福岡県広川町の1898年創業の老舗織元の一つで、高難度のたてよこ絣や久留米絣の古典的な図柄なども織る、技術力の高い正統派の織元です。機械織り、化学染料染めの織元で、他の久留米絣織元では外注することの多い糸の染色作業も自社で行っています。機械織りと言っても、その機は古いもので100年ほど前のトヨタ製の自動織機。機4台に1人の職人が付ききりで調整をします。機そのものも、職人自らが修理をしながら大切に使っています。

久留米絣広川町協同組合
久留米絣広川町協同組合では、久留米絣にとって欠かせない「くくり」と呼ばれる工程が行われています。昔は分業制で「くくり職人」とよばれる職人さんたちが何件もありましたが、この10年でいなくなってしまい、現在では久留米絣の織元の組合で共同で職人を雇い、くくりの行程を行うようになりました。昔ながらのやり方で、手で縛る「手くくり」の技術も産地には残っていますが、久留米絣では大部分のくくりを機械で行うことができるのが、大きな特徴の一つと言われています。普段は見ることのできないそんな「機械くくり」の技術をこのツアーでは見学いただくことができます。

坂田織物
1948年創業、八女郡広川町に工房を構える坂田織物は、創業当初は久留米絣生地や反物を問屋に卸す織元でしたが、時代の洋装化に伴い、90年代から久留米絣を使ったオリジナルの婦人服を展開するようになります。現在3代目の坂田和夫さんは2年半ほどアパレルブランドに勤務したのち、将来は自分の服飾ブランドを立ち上げてみたいと思い25歳のときに家業を継ぐことを決心します。妻の由加里さんと共にこれまでの典型的な紺白の絣だけではなく、様々な色や柄にも挑戦するようになり、2013年に自社ブランド「TUGU.」を立ち上げ、絣づくりの過程でどうしても残ってしまう短い残糸を一本一本繋いで布として織り上げ、服や小物等のオリジナル商品をつくっています。また、新たな市場開拓を目的に海外進出し、2017年からアメリカのニューヨークでの商談会に参加するなど、保守的にならずに新しいことに挑戦し、現代のニーズに合った久留米絣を作り続けています。2022年に久留米絣を見て・触れて楽しんでもらう場所として「坂田織物 cafe & shop」をオープンしました。


藍染絣工房
藍染絣工房は福岡県広川町にある、1891年創業の久留米絣の工房です。久留米絣には、大きく分けて藍染め・手織りの織元と化学染料・機械織りの織元がありますが、藍染絣工房は前者のなかでも特に伝統的な方法を大切にしています。多い時は50回以上も染め重ねられた藍色が生み出すグラデーションと伝統的な文様を新たに解釈した幾何学模様の絣は、藍染絣工房でしか作れない魅力を持っています。季節の草木や花に彩られた美しい工房も見どころの一つです。
参考 : JAPAN BLUE 100|藍染絣工房


産地の未来をともに考える
久留米絣は完成まで30工程もあり、なかなか1回だけの訪問では、その全容を理解するのが難しい織物です。このツアーでは、なるべく1日で多くの種類の織元をめぐり、久留米絣の技術や歴史、産地の特徴、そして織元ごとの未来への想いなど聞けるように構成しています。また専門ガイドの解説付きで回れることで、産地の全容をより客観的に理解できる、視察ツアーとなっており、他の織物産地の方の視察ツアーや、久留米絣を活用したビジネスやお取引をご希望の方にも、おすすめできます。

コード | GFHK05 |
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開催日 | ・月・火・金・土 10:00〜 |
所要時間 | 日帰り |
スケジュール |
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対応言語 | 日本語 |
催行人数 | 最小催行人数4人/最大催行人数30名 |
集合場所 |
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予約受付締切 | 14日前まで
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支払い方法 | 申込フォームより事前カード決済 (VISA、Master、Amex、JCB) |
服装 | 特になし |
持ち物 | 特になし |
ご注意 |
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キャンセルポリシー | 3日前〜前日の解除:料金の50% |
企画:実施
- 株式会社UNAラボラトリーズ
- 〒810-0022 福岡県福岡市中央区薬院3-12-22-302
- TEL. 092-982-7956MAIL. tour@unalabs.jp
- 営業日・営業時間:
月曜日~金曜日10:00~17:00 土曜、日曜、祝日 休業 - ※当社の営業時間外に電子メールでいただいたお申し出は、翌営業日にお申し出いただいたものとして取り扱います。
ツアー情報
- 開催日
- 月・火・金・土 10:00〜 ※リクエスト型:お問い合わせフォームよりご希望日をお送りください。空き状況を確認し、お返事します。
- 所要時間
- 日帰り
- 対象年齢
- 12歳以上
- 料金
- 22,500円(税込)
- 備考
- ※料金は1名様あたり
※8名以上は18000円/1名の団体割引あり
※ガイド料含む