news

お知らせ

  • ブログ

UNAラボスタッフの裏側秘話シリーズ「久留米絣のいろはを学んだ、下川織物さんとの出会い」

八女市にある久留米絣の織元、下川織物の下川さんに初めてお会いしたのは、2014年10月。かれこれ8年前になります(驚き!!)。仕事旅行というプログラムで、うなぎの寝床の活動を知るために参加したツアーで代表・白水に連れて行ってもらったのが最初でした(なお、これがきっかけで後日うなぎに入社しました)。

当時、伝統工芸といえばベテランのおじいさんがされているイメージだったので、当時40代だった下川さんのお若さと、次から次に繰り出される快活なトークに驚いた印象が残っています。

その後、うなぎの寝床に入り、最初に関わったプロジェクトが、オランダのデザイナーたちと新しい久留米絣の生地を開発する、というもの。当時私は「たて糸=warp」「よこ糸=weft」など、織物の専門用語も全く知らず、通訳をしながら、必死に織物の構造を理解しようとしていました。

特に、このデザイナーたち、久留米絣の難解な工程を「どうしてそういうやり方をするのか?」「どうしてこの色なのか?」「どういう仕組みの機械なのか?」など、とにかく細かく細かく追求していきます。聞かれた下川さんでさえ「なぜなのか考えたことはなかったので、答えられない」ということも多くありました。

結果的に彼らは3度も来日し、私たちは工程を詳しく伝えるための動画を制作することまでになりましたが、おかげで久留米絣の常識を一から覆すような非常に挑戦的な生地が出来上がったのです(なお、もんぺにもなっております!)

私にとっては、オランダのデザイナーたちと下川さんのコミュニケーションの媒介役をすることで、久留米絣の技術について集中的に学ぶことができた、とてもありがたい機会でした。いわば下川さんのところで、久留米絣の基礎を叩き込んでもらったようなものだと思っています。

このプロジェクトは、下川さんご自身にとっても大きな影響があったそうで、その後もスウェーデンやフランスなど、さまざまなアーティストとコラボを続けられています。SNSでの情報発信も活発にされており、国内外から多くの方が訪問される「ライブ型工場」をされているのです。

ヴィンテージもののシャトル織機が並び、ガシャンガシャンという音が鳴り響く。その臨場感はやはり現場にしかありません。

そしてその風景を守っていかれようとする下川さんの思いや数々の挑戦を、直接お聞きすることで、久留米絣のイメージが変わったり、私のように産地と関わっていくきっかけになる人が出てくるかもしれない・・・。そんな思いで昨年、UNAラボで下川織物さんとの念願のプログラムを作りました。

初心者にも優しく何でも質問に答えてくれる下川さんですので、織元さんとお話ししてみたい方や、久留米絣や伝統産業について意見交換してみたい方にもおすすめです。八女市唯一の織元でもあるので、うなぎの寝床やCraft Inn 手 [té] へのご訪問とセットで、ぜひご参加いただけたら幸いです!(ツアー企画担当:渡邊)

挑戦し続ける織元、下川織物見学と久留米絣ストール作り(2時間)

挑戦し続ける織元、下川織物見学と久留米絣ストール作り(2時間)