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UNAラボスタッフの裏側秘話シリーズ「野村織物見学とオリジナルあずま袋作り」はどうやってできた?

福岡県広川町に工房を構える野村織物。1898年創業の老舗の久留米絣織元で、4代目の野村周太郎さんと妻のさやかさんを中心に、たくさんの職人さんがお仕事をされています。

はじめて野村織物さんを訪ねたのは2020年10月。まだ絣のことが全くわからない状態で、野村周太郎さんに工房をご案内いただきました。ものすごくわかりやすい説明に、感激したことを覚えています。

色んな色・柄の絣が綺麗に並んでいて、絵の具のパレットのよう。絣の見本帳のような美しいパッチワーク作品を購入させていただきました。蝶々や水玉などの可愛い柄や、伝統柄も組み合わされ、見れば見るほど色んな発見があるパッチワーク。家で眺めているうちに、野村織物さんの体験プログラムを作らせていただけたら、、という妄想が日に日に膨らみました。

その後、企画書を作ってご相談へ。当初は、「工房見学+久留米絣で何かを作って持って帰る」というアイデアのみで、具体的に何を作るかは決まっていませんでした。ただ、野村織物のパッチワークを眺めている時のワクワクうっとりした気持ち、工房を案内してくださった後の「なるほど久留米絣ってこうやって作られているのか!」という驚きを、お客様にも感じていただけたら。。そして「久留米絣を手元に置いて暮らす」という体験を、気軽にしていただけたら。。という思いがありました。

何を作るかは決まっていませんでしたが、心の中では「あずま袋がつくれたらなぁー」と思ってはいました。というのも、今のご時世、エコバッグの様に常に持ち歩いてもらえるし、幅の狭い久留米絣の特性上ハギレを出さずに布を無駄なく使えるからです。

野村さんにお見せするために、さっそく手縫いで試作品をつくり、あちこちに持っていったり、洗濯機で洗ったりしてみました。小さく畳んで持ち運べて、予想以上に便利。洗えば洗うほど、布が柔らかくなり、愛着が湧いてきます。

そんなとき、「2種類の布でつくった方が可愛いのでは?」という意見をもらい、またまた試作品を作ってみました。確かにこっちの方が可愛いかも!しかも、2つを選んで組み合わせることで、よりオリジナルなあずま袋を作れます。よし、2色のあずま袋作りのプログラムで、野村さんにご相談してみよう、、!

うなぎの寝床やCraft Inn 手の仲間に何度もモニター体験をしてもらい、野村さん、さやかさんとも、オンラインでもリアルでも、意見交換を重ねていきました。

プログラム完成までには、いくつかの壁もありました。あずま袋の作成時間がかかりすぎたり、耐久性に難があったり。「体験」というからには、手縫いで作品を作っていただけたらと思うのですが、全部手縫いだと慣れている方でも2時間くらいかかり、かなりタフな体験プログラムになってしまいます。

そこで、最初に2色の久留米絣を選び、その後、周太郎さんの案内で工場見学。その間にさやかさんに最終工程一歩手前までミシンで下準備をしておいていただき、最後の直線縫いのところだけを手縫いで仕上げていただく、、ということにしました。これで耐久性もアップ!短時間でのミシンでの下準備も、さやかさんが工夫や練習をしてくださり、時間内に完成するようになりました。

見学から戻って、周太郎さんとさやかさんと一緒にちゃぶ台を囲み、ちくちく縫い物をするひととき。お二人が、ちょっとした質問にも熱心に答えてくださったり、お子さんたちの世代にも久留米絣を残して行きたい!という熱い思いを語ってくださったり。横で聞いていて、私もうるっとしてしまうことが何度もありました。

工場見学も、あずま袋作りももちろん楽しいけれど、こうやってお二人と過ごす時間そのものがこのプログラムのハイライトなんだと感じます。久留米絣ってなんだか気になるけど、全然わからない!という方にも、ぜひ気軽に体験いただきたいプログラムです。(ツアー企画担当:桜井)

https://unalabs.jp

野村織物見学とオリジナルあずま袋作り(1時間45分)

野村織物見学とオリジナルあずま袋作り(1時間45分)

Place: 福岡県広川町/ 野村織物 野村周一郎さん、野村さやかさん