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TRAVEL UNA 試し読み①唐津焼の過去と未来を問い続ける
ギャラリーに1歩入ると、思わず「わぁ」と声があがる。
大きなガラス窓の向こうに広がる、虹の松原と唐津湾の絶景。
鏡山の中腹に工房を構える、「健太郎窯」を訪ねた。
玄界灘を望む港町である唐津は、古代から大陸と九州を隔てる境界線だった。新しい文化が 入る玄関口でもあり、ときには自国を守るための防塞にもなる。それゆえか、新しさと古さが 混在する空気を感じる。
健太郎窯の村山健太郎さんは、そんな唐津で生まれ育った。大学でデザインと陶芸を学び、卒業後に唐津焼を代表する作家の一人、川上清美さんに師事した。「師匠はどうやって山から原料を採り、土や釉薬をつくるのかなど、包み隠さず教えてくれました。古今東西の焼きものを 沢山見て、吸収する毎日でした」。30歳で独立し、鏡山に土地を見つけて自ら雑木林を切り開き窯を立ち上げた。
唐津焼は李氏朝鮮の陶磁器をルーツとし、特に利休の時代から茶人たちに愛され、現在でも茶器や酒器、懐石などで好んで使われる。その伝統ゆえに「茶碗は無地唐津、徳利は朝鮮唐津、ぐい呑は斑唐津」など、暗黙の了解も数多く存在する。
これらをただのルールとして、盲目的に守るのは簡単だ。だが村山さんは常々「唐津焼とは何か?何を残し、何を変えるべきなのか?」を自問しながら、作陶をしている。歴史や古唐津に触れ、唐津焼としてのあるべき姿を解釈して、作品に昇華させるのだ。
「唐津焼と名乗る以上、先人たちへのリスペクトが必要です。でも同時に、時代にあわせた進化も大切。原点を見つめることで、変えても良い境界もはっきりするんです」。その言葉通り、村山さんの作品は格式 ある凛とした佇まいと同時に、日常の器としても取り入れやすいモダンさを兼ね備えている。
Text: Rei Watanabe (UNA Laboratories Inc.)
Photo: Koichiro Fujimoto
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