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UNAラボスタッフの裏側秘話シリーズ「山鹿灯籠師 中村さんたちとの出会い」
山鹿灯籠の体験プログラムを作りたい!チームのアイデアを受けて、初めて山鹿を訪れたのは2020年9月のことでした。当時私はUNAラボラトリーズに入社したばかり。大阪出身、東京で長く勤めていたため、九州の地域文化については目下勉強中で、山鹿灯籠の存在も知りませんでした。
山鹿灯籠って何だろう?少し調べると「和紙と糊だけを使った、めちゃくちゃ緻密な伝統工芸品」「【灯籠師】だけが作ることを許される」「建物型のバージョンと、灯籠型のバージョンがある」「灯籠型のものを頭に乗せて踊る祭りがある」などなど。なんだかよくわからないけど、凄そう・・!!
まずは山鹿へ行ってみよう!さっそく初めての山鹿へ。山鹿は熊本県にありますが、福岡市内の我が家からは車で1時間ちょっと。思ったより近いという印象がありました。中心部に大きな無料駐車場もあり、旅人にもやさしい町です。
さっそくメインストリートを歩いてみます。雰囲気のいい古民家が立ち並ぶ道の両脇には、温泉、芝居小屋、カフェなどが並んでいます(後に、その道は「豊前(ぶぜん)街道」という歴史ある街道だと知りました。宮本武蔵も通っていたそう!)。芝居小屋は今も現役で使われており、坂東玉三郎さんや市川海老蔵さんもよくいらしているとのこと。山鹿、なんだかすごい!
しばらく行くと、素敵な古民家を改装した雑貨屋さんがありました。今回体験プログラムにご協力いただく、山鹿灯籠師の中村さんと、パートナーの京さんが経営する「ヤマノテ」です。店内には、うちわや絹製品など山鹿の伝統工芸品のほか、石鹸やシャンプーなど体に優しい生活用品も並んでいます。そこで初めて中村さん、京さんのお2人にお会いしました。
ヤマノテの2階は、中村さんの工房になっています。さっそく2階に上がって、山鹿灯籠を見せていただきました。初めて見る灯籠に度肝を抜かれた私。下から見上げても、奥の方を除いても、一切の手抜きなしです。興奮して、ワーワーといろんな角度から眺めました(動画はその時に撮影したものです)。中村さんの誠実なお人柄が灯籠にそのまま現れている気がしました。
その後、お2人が、街道の端から端までを案内してくださることに。歩きながら、色々な話を伺いました。京さんがどんな思いでお店をされているか。中村さんが灯籠師になろうとしたきっかけや、お師匠さんから学ばれたこと。灯籠師として独立する際のエピソードや、独立してからチャレンジしてこられたこと。その一部は、後に、雑誌『TRAVEL UNA』でもご紹介させていただきました。
お2人とお話しして感激したのは、自分達だけでなく、山鹿全体を盛り上げて行きたい!という思いを強くお持ちだというところ。歩きながら、ここも素敵なんです!ここはぜひ見てください!と、おすすめのお店やギャラリーを、どんどん紹介してくださいました。町全体を楽しんで欲しいから、体験プログラムに八千代座と民芸館のチケットがもれなくついてくるのはどうでしょう?とのアイデアも。
私が感じた驚きと感動を、多くの人に感じていただきたい!その後何度も山鹿に通って、ついに体験プログラムが完成しました。私の小学生の子供達にも体験してもらいたくて、一緒に参加したこともあります。中村さんや京さんにズバズバと質問する子供達を見て、ヒヤヒヤしましたが、丁寧にご対応いただき、可愛い山鹿灯籠のランプが完成しました。大人から子供まで楽しんでいただけるプログラムです。ぜひ山鹿に足を運んで体験してみてください。(ツアー企画担当:桜井)
豊前街道・和紙と糊の芸術 山鹿灯籠師と和紙ランプ作り(2時間)
https://unalabs.jp/tourism/gkyg01/
TRAVEL UNA 特別編集号
https://unalabs.jp/publishing/
Place: ヤマノテ / 山鹿灯籠 中村制作所(中村 潤弥さん、冨田京さん)
Photo: Koichiro Fujimoto